公演スケジュール
WED
第43回名古屋定期公演
スダーンのベト7、辻彩奈「トルコ風」第43回名古屋定期公演
極致を聴く曲たち
極致、という言葉がある。
芸術の世界では活動や作品の、質や量が頂上に達した境地、というほどの意味になる。そうして本公演には、その「極致」が惜しげもなく3つ並ぶ。しかもモーツァルトとベートーヴェンの傑作。これで、まだ文句あるなら、私が受けて立つ。
コンサートはモーツァルトの異色の序曲《後宮からの逃走》で始まる。何が異色? ここにあるのはモーツァルトの他の歌劇序曲とは一線を画した、極彩色の異国情緒が乱舞する音の饗宴だ。モーツァルトが再三、スパイスとして活用した「トルコ風」リズムの極致が結晶している。さらにこの作品は彼が結婚直前に作曲していたから恋愛の極致として、婚約者の名前が役名で登場するのだから、独身の極致の時期だ。さらば青春……
ヴァイオリン協奏曲の第5も「トルコ風」の異名を持つ。第3楽章でトルコ風のリズムが炸裂する。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲の最終作という極致も乱舞、だから前半は「トルコ・リズム」の極致だ。前半2曲は「トルコ・リズム!極致の祭典」なのだ。
そしてベートーヴェンの登場。交響曲第7番。この曲への当時からの賛嘆の言葉、賞賛の言葉をいくつか挙げてみよう。「リズムの神化」「リズムの奇跡」「リズムの真理」「リズムの神髄」…… それまでにもリズム動機に集中してきたベートーヴェンが、ここでその頂点に登りつめる。その頂点、「極致」がこの第7番なのだ。どの曲にもスダーンの、心の深淵を奏でる名人芸が感動を呼ぶだろう。
これをして「指揮芸術の極致」という。(響敏也:作家・音楽評論家)
開催日程
2019年09月25日(水) 開場 18 : 15 開演 19 : 00
出演者
- ユベール・スダーン
指揮ユベール・スダーン指揮オランダ・マーストリヒト生まれ。ブザンソン国際指揮者コンクール優勝、カラヤン国際指揮者コンクール第2位、グィード・カンテルリ国際コンクール優勝に輝いている。これまでに、ベルリン・フィル、ロンドン・フィル、ロンドン響、バンベルク響、ウィーン響、ミュンヘン・フィル、シュトゥットガルト、ハンブルク、フランクフルトの各放送交響楽団、ドレスデン・シュターツカペレ、ソウル・KBS響,シドニー響、そして、ミラノ・スカラ座歌劇場管弦楽団、ローマ・サンタ・チェチーリア管など主要なオーケストラと共演し、オペラの分野でもバスティーユ・オペラや、パルマ、カターニャ、パレルモ、トリエステ、ボローニャなどのオペラハウスで精力的に活動している。2004年7月、ザルツブルク市名誉市民およびオーストリア・ザルツブルク州ゴールデン勲章を授与された。メルボルン交響楽団首席客演指揮者、フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団、ユトレヒト交響楽団、パルマのトスカニーニ交響楽団、フランス国立ペイ・ドゥ・ラ・ロワール管弦楽団、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の首席指揮者、東京交響楽団音楽監督などを歴任。現在、オーケストラ・アンサンブル金沢首席客演指揮者、東京交響楽団の桂冠指揮者を務めている。 - 辻彩奈
ヴァイオリン辻彩奈ヴァイオリン1997年岐阜県生まれ。2016年モントリオール国際音楽コンクール第1位、併せて5つの特別賞を18歳にて受賞。これまでに、モントリオール交響楽団、シュトゥットガルトゾリステン、NHK交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団などと共演。第28回出光音楽賞受賞。これまでに小林健次、矢口十詩子、中澤きみ子、小栗まち絵、原田幸一郎の各氏に師事。使用楽器は、NPO法人イエローエンジェルより貸与されているJoannes Baptista Guadagnini 1748である。2019年4月、ジョナサン・ノット指揮/スイス・ロマンド管弦楽団とジュネーブ、東京、名古屋、大阪にて共演する。現在、東京音楽大学に特別特待奨学生として在学中。
演奏曲目
モーツァルト | 歌劇《後宮からの逃走》序曲 K. 384 |
モーツァルト | ヴァイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K. 219 「トルコ風」 |
ベートーヴェン | 交響曲 第7番 イ長調 作品92 |
会場
チケット
料金 |
全席指定 S席6,000円 A席5,000円 未就学児入場不可 |
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プレイガイド |
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