公演スケジュール
THU
第451回定期公演フィルハーモニー・シリーズ
深淵を覗く。ショスタコーヴィチ最後のシンフォニー。第451回定期公演フィルハーモニー・シリーズ
2月の定期公演は桂冠指揮者の井上道義が登場。得意のショスタコーヴィチにハイドンを組み合わせたプログラムを披露する。
ハイドンの交響曲第45番「告別」には有名な逸話がある。楽長ハイドンと宮廷楽団のメンバーは、夏になると雇い主であるエステルハージ侯爵の離宮エステルハーザを訪れていた。ある年、侯爵は離宮での滞帯在を予定外に長引かせた。単身赴任でお供をする楽員たちは早く家族のもとに帰りたくてしょうがない。そこで、ハイドンは楽員の意向を汲んで、この「告別」を作曲した。終楽章でひとりまたひとりと舞台を去るという趣向を用意して、侯爵にみんなが帰りたがっていることを伝えたのだ。侯爵はこのメッセージを正しく受け取って、すぐに離宮の滞在を切り上げたという。
ショスタコーヴィチの交響曲第15番もまたお別れの音楽といってよいだろう。1971年、病と闘う晩年のショスタコーヴィチが書いた最後の交響曲である。作曲者が幼年期に好んだロッシーニの「ウィリアム・テル」序曲をはじめ、ワーグナーの作品や過去の自作が引用され、あたかも自身の人生を振り返るような自伝的性格を持っている。
交響曲の基本形を築き上げたハイドンと、交響曲を創作の中心とした最後の大作曲家ショスタコーヴィチという「はじまり」 と「おわり」をこのプログラムから読み取ることも可能だろう。(飯尾洋一:音楽ジャーナリスト)
開催日程
2022年02月17日(木) 開場 18 : 00 開演 19 : 00
出演者
- 井上道義
OEK桂冠指揮者井上道義OEK桂冠指揮者1946年東京生まれ。桐朋学園大学にて齋藤秀雄氏に師事。1971年ミラノ・スカラ座主催グィド・カンテルリ指揮者コンクールに優勝して以来、一躍内外の注目を集め、世界的な活躍を開始する。ニュージーランド国立交響楽団首席客演指揮者、新日本フィルハーモニー交響楽団音楽監督、京都市交響楽団音楽監督、常任指揮者、大阪フィルハーモニー交響楽団首席指揮者、オーケストラ・アンサンブル金沢音楽監督を歴任。斬新な企画と豊かな音楽性は常に注目を浴びる。これまでにシカゴ響、ハンブルク響、ミュンヘン・フィル、スカラ・フィル、レニングラード響、フランス国立管、ブタペスト祝祭管、KBS響、およびベネズエラ・シモンボリバルなど世界一流のオーケストラへ登壇。1990年ザ・シンフォニーホール「国際音楽賞・クリスタル賞」、1991年「第9回中島健蔵音楽賞」、1998年「フランス政府芸術文芸勲章(シュヴァリエ賞)」、2009年「第6回三菱UFJ信託音楽賞奨励賞(歌劇イリス)」、2010年「平成22年京都市文化功労者」、社団法人企業メセナ協議会「音もてなし賞(京都ブライトンホテル・リレー音楽祭)」、2016年「渡邊暁雄基金特別賞」、「東燃ゼネラル音楽賞」、2018年「大阪府文化賞」「大阪文化祭賞」「音楽クリティック・クラブ賞」をトリプル受賞。現在、オーケストラ・アンサンブル金沢桂冠指揮者。自宅にアヒルを飼っている。
演奏曲目
ハイドン | 交響曲 第45番 嬰ヘ短調 Hob. Ⅰ-45 「告別」 |
ショスタコーヴィチ | 交響曲 第15番 イ長調 作品141 |
会場
石川県立音楽堂 コンサートホール
チケット
料金 |
全席指定(税込) SS7,000円 S6,000円 A5,000円 B3,000円 スターライト1,500円 車椅子席6,000円 ・25歳以下公演前日より半額で購入可(要証明書類) ・公演予定時間: 約110分(休憩あり) |
---|---|
プレイガイド | 石川県立音楽堂チケットボックス TEL 076-232-8632 |
主催・問合せ等
主催 |
|
---|---|
助成 | |
問合せ |
|