オーケストラ・アンサンブル金沢

イタリア系トルコ人のニル・ヴェンディッティは、世界の重要なオーケストラやアンサンブルと急速に関係を築いている気鋭指揮者。近年ではパリ国立歌劇場管、ドイツ・カンマーフィル、ドレスデン・フィル、カスティーリャ・イ・レオン響、チューリッヒ・トーンハレ管、シュトゥットガルト室内管、アイルランド国立歌劇場管などに出演。トスカーナ管では2020年より2022年までの首席客演指揮者を務めた。古典派を軸としロマン派以降にもレパートリーを広げており、とりわけファジル・サイ（交響曲第5番をブレーメン・ムジークフェストで初演）、ファビアン・ワクスマン、レポ・スメラ、キャロライン・ショウの作品に注力するほか、多角的な体験を通じた新しい聴衆の獲得にも熱心に取り組む。オペラの分野は、モーツァルトの『コジ・ファン・トゥッテ』からピーター・マックスウェル＝デイヴィスの『灯台』まで、優れた指揮を続けている。

クラシック・アコーディオンの世界的第一人者。祖母の手ほどきにより6歳でアコーディオンを始める。英国王立アカデミーに学び、ブリン・ターフェル財団賞、フィルハーモニア管のマーティン音楽奨学金、ロンドン音楽家名誉組合シルバーメダルなど英国の権威ある賞を受賞。レパートリーはJ. S. バッハからピアソラ、また現代まで3世紀以上に及び、彼女のためのアコーディオン作品も作曲されている。これまでにミュンヘン・フィル、フランス国立管、BBC響、チューリヒ・トーンハレ管、NDRエルプ・フィルなどの楽団や、パーヴォ・ヤルヴィ、ヘンゲルブロック、ペトレンコなどの指揮者と共演。ドイツ・グラモフォンよりリリースした「カルメン」は2017年のエコー賞を受賞。また2021年リリースの「ピアソラ・リフレクションズ」は、クラシック・レビュー誌の「今年のベストアルバム」の一枚に選ばれた。2023年9月より英国王立アカデミーの客員教授。