公演スケジュール
第479回定期公演フィルハーモニー・シリーズ
困難を抜けて遂に歓喜へ。ミンコフスキの第九第479回定期公演フィルハーモニー・シリーズ
OEK桂冠指揮者のマルク・ミンコフスキによるベートーヴェンの「第九」をついに聴ける! 首を長くして待っていた方も多いのではないだろうか。 コロナ禍に翻弄されたベートーヴェン全交響曲演奏会がようやくゴールを迎える。
マルク・ミンコフスキがOEKの芸術監督を務めたのは2018年から22年にかけて。本来であれば、2020年のベートーヴェン生誕250年を記念してベートーヴェン全交響曲演奏会が始まるはずだったが、新型コロナウィルスの感染拡大により音楽界は未曽有の事態を迎えた。外国人アーティストの入国には高いハードルが設けられた。 それでも2021年の7月にミンコフスキの来日が実現して、ベートーヴェン全交響曲演奏会がスタートした。以来、4公演が開かれてきたが、唯一実現していなかったのが「第九」だ。 ベートーヴェンの交響曲といえば、 「運命」に代表される 「苦悩から勝利へ」といったドラマが思い起こされるが、ミンコフスキとOEKによるベートーヴェン全交響曲演奏会そのものが、 コロナ禍という苦しみを乗り越えて、今回の「第九」で勝利に至るストーリーを描いている。
このシリーズにはミンコフスキにとってもOEKにとっても大きな意義を持つ。もともとミンコフスキは古楽器によるアンサンブル、レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルを創設して名を挙げた指揮者。古楽畑の出身者にとって、ベートーヴェンの交響曲は待ち望まれたレパートリーであったはず。 そのミンコフスキが「長年の夢だった」と語るベートーヴェン交響曲全曲演奏会がOEKで実現することは、金沢の音楽界にとってエポックメイキングなことでもあった。また、OEKにとってベートーヴェンの交響曲は歴代の音楽監督と数々の名演を重ねてきた最重要レパートリー。 芸術監督であったミンコフスキとの全曲演奏は、楽団の歴史に欠かすことのできないマイルストーンと言える。
実力者ぞろいの独唱陣と日本を代表するプロ合唱団である東京混声合唱団の共演を得て、いまミンコフスキとOEKは「歓喜」へと向かう。(飯尾洋一:音楽ジャーナリスト)
開催日程
出演者
- マルク・ミンコフスキ
OEK桂冠指揮者マルク・ミンコフスキOEK桂冠指揮者若い頃より指揮者を志し、19才でミュジシャン・デュ・ルーヴルを創設。初期にはフランスのバロック期の音楽家やヘンデルの音楽を取り上げ、その後、モーツァルト、ロッシーニ、オッフェンバック、ワーグナーなどのレパートリーに取り組む。オペラ指揮者として、パリ・オペラ座、コミック座はもとより、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、またザルツブルク音楽祭、エクス=アン=プロヴァンス音楽祭など、ヨーロッパの名だたる歌劇場や音楽祭に客演。コンサート活動においては、東京都交響楽団、BBC交響楽団、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団、マーラー・チェンバー・オーケストラ、クリーヴランド管弦楽団などに客演し、19~20世紀の作品を中心に演奏し高い評価を得ている。2011年フランスの大西洋沿岸のレ島にレ・マジェール音楽祭を創設。2016〜2021年ボルドー国立歌劇場総監督。2018から22年までOEK芸術監督をつとめ、現在OEK桂冠指揮者。2018年、レジオンドヌール勲章シュヴァリエを受章。 - ユリア・マリア・ダン
ソプラノユリア・マリア・ダンソプラノルーマニア出身。ハンス・ガボール・ベルヴェデーレ声楽コンクール、エリクレア・ダルクレー国際声楽コンクールなど多くのコンクールで賞を獲得。バイエルン国立歌劇場のアンサンブルとして名門オペラスタジオのメンバーとしての活動を開始。その後ハンブルク国立歌劇場を経て、近年ではドレスデン国立歌劇場に所属し、「カルメン」ミカエラ、「ラ・ボエーム」ミミ、ムゼッタ、「ヘンゼルとグレーテル」グレーテル、「ドン・ジョヴァンニ」ドンナ・エルヴィーラ、「コジ・ファン・トゥッテ」フィオルディリージ、「フィガロの娘」コンテッサ、「椿姫」ヴィオレッタなど数々の役を演じるほか、ライプツィヒ歌劇場、ラヴェンナ音楽祭、ベルサイユ歌劇場、イスラエル・オペラ、ド、リセウ大劇場、ボルドー国立歌劇場などでも数々のオペラに出演。コンサートでは、ヴェルビエ音楽祭とカッセル劇場でのベートーヴェン「第九」、マーク・ウィグルスワースBBCフィルハーモニー管弦楽団の「皇帝ヨセフ死亡のためのカンタータ」や、ロイヤル・フェスティバルホールでのエドワード・ガードナー指揮ロンドン・フィルによるベルディ「レクイエム」などに出演している。
- 中島郁子
メゾ・ソプラノ中島郁子メゾ・ソプラノ東京藝術大学卒業。在学中に安宅賞、卒業時に松田トシ賞を受賞。同大学院修了後、文化庁海外派遣研修員としてイタリアにて研鑽を積む。第14回ロッカ・デッレ・マチエ国際声楽コンクール(伊)第2位、第72回日本音楽コンクール・第2位など受賞歴多数。オペラでは、二期会『イル・トロヴァトーレ』アズチェーナ、『蝶々夫人』スズキ、日生劇場『セビリアの理髪師』ロジーナ、びわ湖ホール『ワルキューレ』フリッカ等を演じ、絶賛を博す。近年では、『カヴァレリア・ルスティカーナ』サントゥッツァで存在感を示す他、二期会及びびわ湖ホール及び東京フィルハーモニー交響楽団定期『ファルスタッフ』クイックリー、新国立劇場『カルメン』メルセデス、二期会『エドガール』ティグラーナ等多くのオペラに出演を重ねている。コンサートでも「第九」をはじめ、モーツァルト及びヴェルディ「レクイエム」、マーラー「交響曲第3番」等でソリストを務め、高い評価を得ている。二期会会員。
- 小堀勇介
テノール小堀勇介テノール国立音楽大学声楽専攻ならびに同大学院声楽専修オペラ・コースを首席で修了。新国立劇場オペラ研修所第15期修了。第16回東京音楽コンクール声楽部門第2位。第88回日本音楽コンクール声楽部門第1位等入賞多数。文化庁新進芸術家海外研修制度にてボローニャを拠点に留学。ペーザロのアカデミア・ロッシニアーナ2016、ルーネンバーグのロッシーニ・オペラ・アカデミー2016を修了し、指揮のアルベルト・ゼッダ氏から薫陶を受ける。チロル祝祭歌劇場にて《アルジェのイタリア女》のリンドーロ役でヨーロッパ・デビュー。帰国後はびわ湖ホール《連隊の娘》トニオ役を皮切りに、藤原歌劇団公演《チェネレントラ》ドン・ラミーロ役、日生劇場公演《愛の妙薬》ネモリーノ役、《セビリアの理髪師》アルマヴィーヴァ伯爵役で出演。2022年10月に開催された東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会では、チョン・ミョンフン指揮《ファルスタッフ》フェントン役で出演、絶賛された。日本ロッシーニ協会会員。 - 妻屋秀和
バス妻屋秀和バス東京藝術大学卒業。同大学院修了後、ミラノに留学。ライプツィヒ歌劇場及びワイマール・ドイツ国民劇場の専属歌手を務め、ブレゲンツ音楽祭、ドイツ・ライン・オペラ、ハノーバー州立歌劇場、マンハイム国民劇場、ベルリン州立歌劇場等各地で出演。国内では、1988年新国立劇場『アイーダ』ランフィスでデビュー以降、『フィデリオ』ロッコ、日生劇場『トスカ』アンジェロッティ、『ランメルモールのルチア』ライモンド、びわ湖ホール『さまよえるオランダ人』ダーラント、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』ファイト・ポーグナー、二期会『魔笛』ザラストロ等を演じ、絶賛を博している。これまでに出演したオペラは60余作、演じた役は80役、公演数は900を超え、日本を代表するバスとして圧倒的な支持を得る。また、コンサートでも「第九」をはじめ、ヴェルディ「レクイエム」などで堅実な歌唱を聴かせている。第24回ジローオペラ賞、第3回ロシヤ歌曲賞、第72回芸術選奨文部科学大臣賞。二期会会員。 - 東京混声合唱団
合唱東京混声合唱団合唱1956年に創設された日本を代表するプロ合唱団。東京・大阪での定期演奏会、内外のオーケストラとの共演やオペラへの出演、青少年を対象とした鑑賞音楽教室、海外公演を含む年間150回の公演のほか、数多くのレコーディングやテレビ、ラジオへの出演を行っている。レパートリーは、創立以来行っている作曲委嘱活動で生まれた250曲を超える作品群をはじめ、内外の古典から現代作品までと幅広く、各地の合唱団や青少年との合同演奏、指導者派遣、ワークショップ・解説付きコンサートも精力的に開催している。文化庁芸術祭大賞、音楽之友社賞、毎日芸術賞、京都音楽賞、レコード・アカデミー賞、サントリー音楽賞、中島健蔵音楽賞などを受賞。
演奏曲目
ベートーヴェン | 交響曲 第9番 ニ短調 作品125 「合唱付き」 |
会場
石川県立音楽堂 コンサートホール
チケット
料金 |
全席指定 SS席9,000円 S席8,000円 A席7,000円 B席5,000円 スターライト席3,000円 車いす席8,000円 ・未就学児入場不可 ・25歳以下公演前日より半額で予約可(購入時要証明書類) ・公演予定時間: 約80分(休憩なし) |
---|---|
プレイガイド | 石川県立音楽堂チケットボックス TEL 076-232-8632 |
主催・問合せ等
主催 |
|
---|---|
助成 | |
問合せ |
|